外国人の方が日本国籍を取ろうとする際、帰化許可の申請をします。
許可が下りれば日本人になれるのですが、許可されるには要件(条件)があります。
帰化許可の要件の一つに
「憲法遵守条件」(けんぽう じゅんしゅ じょうけん)があります。
本記事では、この
「憲法遵守条件」について
わかりやすくお伝えします。
法律に書かれている文章(条文)
帰化許可の要件は、国籍法に書かれています。
要件のうち、「憲法遵守条件」については、
国籍法第5条1項6号に、次のように書かれています。
(長い文章ですし、わかりにくい部分もあると思います。)
国籍法5条1項6号
日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
(e-Gov法令検索 国籍法より)
憲法遵守条件の内容
国籍法第5条1項6号は、次の複数の内容があると解釈できます。
日本国憲法やその憲法のもとに成立した政府を・・
1, 暴力で破壊することを企てたことがない
2, 暴力で破壊することを主張したことがない
3, 暴力で破壊することを企てる政党その他の団体を結社したことがない
4, 暴力で破壊することを主張する政党その他の団体に加入したことがない
上記のどれか一つでも該当してはならない、と考えてください。
憲法
日本国憲法は、普通の法律よりも上の位置にあり、別格です。
その憲法を大切にしてください、
憲法のもとにある日本政府を壊そうと考えないでください、
という内容が、
「憲法遵守条件」に書かれている、と解釈できます。
思想について
日本国憲法には、思想の自由・内心の自由などが保障されています。
日本人は、成人であれば、選挙権があり、
人それぞれの考え方は尊重されます。
しかし、帰化において、
「日本国憲法や日本政府を暴力で破壊しようとする思想」を持つ人物を、
日本人にすることはできない
・・というメッセージが、国籍法第5条1項6号に書かれているのです。
団体との関わり
憲法や政府を暴力で破壊する、と
自分自身が主張する・考えるだけでなく、
主張する・考える団体に関わったことがあってはならないのです。
団体に、お金を出した、指示した、
団体を支持した・・といったことも「ない」のが大切です。
具体的には、
「暴力団」や、
「激しい政治的主張をする団体」に関わった経験がないことが大切です。